子どもの事故で乳幼児期に多いのが誤飲です。
物をつかんだりハイハイやつかまり立ちをする時期は、手に触れたものは何でも口に入れるようになります。
謝って誤飲をした場合は誤飲した物によって対処方法が異なってきます。
ここでは特に子どもの誤飲に多いとされるものと応急処置方法を紹介します。
誤飲事故がおきる原因は?
何でも口に運ぶ時期の子どもは食べ物と食べ物ではない物の区別ができません。
とりあえずは口に入れて確かめるというほど口に物を運びます。
身体の成長も原因になっていて、大人のように「異物が食道に入るときには気管が閉まる」という機能が未発達です。
母乳や離乳食の食べ始めはよくむせる事があります。
これは気管のふたがうまくできていない事が原因でおこっています。
飲み込み事や喉が未熟な子どもが小さなおもちゃなどを誤って飲み込むと気管に入ることがおこってしまいます。
誤飲事故が多いものと対処方法
家庭用医薬品(風邪薬・睡眠薬など)
風邪薬などの錠剤は小さく飲み込みやすくお菓子ようなビジュアルです。
兄・姉の通院で処方された整腸剤や抗生物質などの誤飲も多く発生してしまいます。
【対処方法】
- 口の中を見て、残っている場合は指でぬぐい取ります。
- 水や牛乳を飲ませて吐かせます。
- 薬の空きびんや散らばっている薬、吐いたものを医師に見せます。
おもちゃ(ビー玉・スーパーボールなど)
兄・姉がいる家庭で一番気をつけないといけないのが小さなおもちゃです。
スーパーボールやビー玉のようにツルツルしているようなものや小さなブロックなどは飲み込みやすくなるので危険です。
【対処方法】
- 小さなおもちゃは手の届かない場所へ置く。
- 飲みこんで詰まった場合は背部叩打法をして気道の異物を除去します。
- 呼吸ができない場合はすぐに119番に通報し救急搬送します。
石けん(お風呂用・化粧用・洗濯用など)
お風呂の時などにはよくあるのは手についている石けんを口に入れたり飲み込むことがよくあります。
比較的、毒性は低いのですが気づけば大量に飲んでいることもあるので注意が必要です。
【対処方法】
- 一口程度なら、水や牛乳を飲ませ、しばらく様子をみます。
- 大量に食べたり飲みこんだ場合は、できれば吐かせて、すぐに医療機関へ連れて行きます。
たばこ
たばこを吸う人がいる家庭で最も多く危険なものがたばこになります。
たばこに含まれるニコチンは毒性が強いのでタバコ1本分が子どもには致死量になります。
たばこそのものを口に入れる事も危険ですが、濡れたタバコやタバコが捨てられていた茶色い水を飲むことが一番危険です。
ニコチンが溶けだしている水などは吸収が早いので飲み込んだ場合は早急な手当が必要になります。
水や牛乳を飲ませるとニコチンが急速に体内に吸収されるので飲ませてはいけません。
【対処方法】
- 早急に口の中に残っているたばこを拭い取ります。
- すぐに119番に通報し指示を受けて救急搬送します。
マニキュア液・マニキュア除光液
お母さんが使っているマニキュア液や除光液は身近な化粧品の中で毒性が高くなります。
マニキュアを塗りたての状態で、赤ちゃんに接するのも赤ちゃんが舐めてしまうことがあるので危険です。
【対処方法】
- 少量でも医療機関へ連れて行きます。
- 吐かせると気道に入り窒息や肺炎を起こす場合があるので吐かせないようにします。
乾電池(ボタン型など)
小さなおもちゃに使用されているボタン型電池は飲み込んだことにも気づきにくいので危険です。
おもちゃのネジが緩んでいたり、電池のふたが外れていて、知らない間に飲み込んでしまうことがあります。
ほとんどの場合は便として出ますが、電池の種類によっては1か所に長くとどまると消化管を傷める危険性もあります。
【対処方法】
- 電池の種類を確認し、同じ電池があれば医療機関へ持参します。
- 飲んだか飲んでいないか不安な場合は、確認のために医療機関へ連れて行きます。
ナフタリン・しょうのう(防虫剤など)
ナフタリンなどの防虫剤なども家では身近にあるものです。
衣替えなどでタンスの整理をしているときに、小さなナフタリンが落ちたままになっていると危険です。
防虫剤・灯油・ベンジンなどは牛乳を飲ませると体内への吸収量が多くなるので飲ませないようにします。
【対処方法】
- 舐めただけなら、水を飲ませて様子を見ます。※牛乳はのませてはいけません。
- 少量でも食べたたり飲み込んだ場合は、医療機関へ連れて行きます。
まとめ
誤飲の対処は誤飲したものによって異なってきます。
実際に子どもが誤飲して苦しんだりしている場合は、パニック状態になります。
何を飲ませて、吐かせるためにはどうしたらいいのかわからない場合が多いです。
基本的にはどうしたらいいのかわからない場合は医療機関へ連れて行くことが必要です。
吐かせることができたり、飲み込む前に口からかき出せた場合でもその後、咳がでたり顔色が悪くなったりすることもあります。
様子を見ることも必要ですが、医療機関へ連れていくことが安心にもつながります。
あせらず、落ち着いて対応することが必要です。
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