震災以降、メディアでも取り上げられる液体ミルクについて紹介します。
最近よく話題になっている液体ミルクは、海外では一般的に普及しています。
液体ミルクは、スーパーなどで簡単に購入することができます。
日本では液体ミルクは販売されていなく、粉ミルクが主流になっています。
※2019年3月現在は日本でも液体ミルクが販売されるようになっています。
液体ミルクを日本で発売してほしいと願う人が署名活動をするほど液体ミルクの国内発売は待たれています。
液体ミルクとは?
液体ミルクはその名の通り、液体のミルクになります。
母乳を飲めない時に乳児に飲ませる人工乳の液状のものになります。
粉ミルクは粉を溶かすためにお湯が必ず必要になります。
液体ミルクにお湯は必要なく、そのまま飲めるミルクになります。
日本ではジュースや牛乳などがパックに入って売られています。
そのミルクバージョンと考えればわかりやすいと思います。
海外では粉ミルクと同様、液体ミルクも一般的に販売されていますが、日本では販売されていません。
海外で生活している日本人アスリートや芸能人などが子育てで利用していて評判になっています。
なぜ日本では買えないの?
牛乳やジュースはあるのに、なぜ日本で購入できないのか不思議に思う人はたくさんいます。
なぜ日本で買えないのか、認可されない理由は何か、簡単にいうと液体ミルクを規定する法律がないという事です。
厚生労働省と消費者庁の制度の現状
現在の制度では乳児用ミルクは食品衛生法できちんと規定されているのは調製粉乳だけになります。
調製粉乳=粉ミルクになるので液体ミルクの規定はありません。
それでも厚生労働省では国内の製造等を禁止している訳ではありません。
「禁止していないのになぜ製造しないのか?」となりますが、これには表示許可基準が関係しています。
赤ちゃんのミルクなどは特別用途食品になります。
特別用途食品は販売する際に表示について国の許可が必要になります。
「赤ちゃんの為のミルク」「妊婦さんの健康維持の為の食品」など発育・健康保持・回復などに適するという表示をするには許可が必要になります。
この表示許可基準がきちんと定められているのは乳児用調製粉乳のみになります。
乳児用調製粉乳=粉ミルクになるので液体ミルクではこの表示はできません。
つまり、メーカーは液体ミルクを製造できるけれど、「赤ちゃん用のミルクです。」と表示して販売することができません。
海外から輸入されている液体ミルクは「乳飲料」と表示されて販売されています。
メーカー側も赤ちゃんの為のミルクを製造しているのに、赤ちゃん用として販売ができないので、売れないと考えています。
製造メーカーの現状
国内のメーカーは液体ミルクの研究を進めて、技術的には製造することは可能なはずです。
製造技術はあるけれど、色々な課題があることから、検討段階にあると考えられます。
- 粉ミルクと栄養価が異なる。
- 粉ミルクに比べて賞味期限が短くなってしまう。
- 日常的なニーズがどれほどあるのかわからない。
- コストがかかり割高になる。
- 乳製品の常温保管への抵抗。
日本乳業協会も安全基準や品質保持などの試験を進めていますが、製品化へは数年かかると言われています。
液体ミルクのメリットは?
安全性が高い
「粉ミルクの方が安全では?」となりがちですが、液体ミルクも安全性に優れています。
液体ミルクは粉ミルクとは違いすぐに飲ませることができる完成品が無菌状態になっています。
粉ミルクはお湯をわかし、哺乳瓶を消毒し、お湯を入れ、冷ますという工程内に人の手が加わります。
調乳という工程を自宅で衛生的な状況を保つことはとても難しいです。
手洗いが完璧か・消毒が完璧か・お湯はきれいかなどを考えると不衛生な箇所がある場合もあります。
液体ミルクはそのまま飲めるので衛生面を考えるととても安全性が高くなります。
海外やWHOも乳児には無菌充填されている液体ミルクの方が粉ミルクより安全と評価しています。
災害時に役立つ
震災で水が止まったり、お湯が作れなかったりした時に液体ミルクはとても便利です。
震災のニュースを見ると乳児のいる親は避難生活で「調乳ができない」と困っている人が多くメディアで取り上げられていました。
現在、輸入で手に入る液体ミルクには乳首とセットになっている便利な液体ミルクもあります。
無菌状態の液体ミルクは常温保存ができるので、災害対策として備蓄しておくことができます。
外出先で便利
簡単に持ち運びができるので外出先でも気軽にミルクをあげることができます。
手間なく、荷物を軽くすることもできます。
水筒にお湯を入れて、粉を容器に入れて、お出かけしている人にとっては非常に便利です。
ミルクの温度を気にする人がいますが、海外では当たり前のように常温で飲ましています。
お父さんの育児参加ができる
粉ミルクの調乳が苦手なお父さんも積極的に育児に参加できます。
子どもとお父さんを二人きりにするのが不安なお母さんも安心して留守をまかせることができます。
調乳をしないでそのまま飲めるので、お父さんでも簡単にミルクを飲ませることができます。
ミルクを作るのはママ、ミルクをあげるのはパパという家庭が多いですが、全てパパ一人でできます。
夜泣きなどですぐに飲ませたいときに飲ませることができます。
夜中に泣き出してからお湯を沸かして、ミルクを作り、冷ますのはとても手間です。
夜泣きの対応にお父さんが参加してくれるとお母さんはとても助かります。
お父さんも育児に自信が持てるようになり、お母さんは負担が減り、家庭円満にもつながります。
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液体ミルクのデメリットは?
値段が高い
液体ミルクは、2017年の現状では海外製品しかありません。
個人で輸入するか通販などで購入するしか方法はありません。
輸入品なので粉ミルクに比べて、値段がとても高いです。
種類や量によっても異なりますが、飲みきりサイズになっている物や乳首とセットになっているものはより高額になります。
国内での販売が解禁されれば価格も安くなってくるとは思いますが、まだまだ時間がかかります。
外出時用に購入する人もいますが、飲みなれないので、赤ちゃんが飲まないという事もあるようです。
成分・添加物・保存料と危険性
液体ミルクは粉ミルクと製造方法が異なるので栄養価が異なります。
粉ミルクと同様の栄養が確保できない為、日本ではあまり使用されていない栄養強化剤の添加物が使われている商品もあります。
海外の赤ちゃんが普通に利用しているので、害のない添加物だとは思いますが、抵抗がある人はいるかもしれません。
保存料は使われていない商品がほとんどのようです。
結果的には粉ミルクと同様で危険性は少ないと考えてよいと思います。
成分に関しては、日本乳業協会や国内メーカーが研究を重ねています。
国産の商品が販売されるようになれば安心して購入できると考えている人も多いはずです。
開封後の賞味期限が短い
粉ミルクと異なるデメリットとしては、開封後の賞味期限が短いことです。
短いといっても未開封なら牛乳や乳飲料と比べると比較的長い印象です。
常温保存ができるので未開封で1年程度の賞味期限の物もあります。
粉ミルクと同様で未開封では長く保管できますが、開封すると保存ができません。
粉ミルクは開封してから1ケ月程度、もちますが、液体ミルクは早く飲まないといけません。
飲みきりサイズなら大丈夫ですが、容量の多い液体ミルクで開封後保存する場合は、雑菌が繁殖しやすくなります。
まとめ
2017年3月31日には国内での液体ミルク解禁へむけて厚生労働省が製品化する際の規格基準の検討を始めたと報じられました。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでには開始を目標とする方針を固めているようです。
海外で主流な液体ミルクが日本にないとなると困る外国人がたくさんいると思います。
国内メーカーが製造販売すれば、値段も安くなり国産なので安心して液体ミルクが使えると思います。
日本でも早く液体ミルクが販売されて、スーパーやドラックストアなどに並ぶことを期待しています。
※2019年3月現在は日本でも液体ミルクが販売されるようになっています。
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